夏旅行2日目
夜中ものすごい雨の音がしていたけど,朝,雨があがっていた。
6時半,散歩に出かける。
ようすが昨日と全然ちがう。
雲の切れ間から山が見えた。
梓川の色も心なしか青く見える。木立からは雫がぽたぽた落ちてくるけど,
雨上がりの深緑の香りは素晴らしい。
見る間に,青空までみえてきた。
なんとなく,以前行った尾瀬の光景とかぶる。
あのときも小雨で入って,湿原に入ると雨があがって夕陽がさした。
人が少なくて,静かな山の雰囲気が普段ひとであふれる山の名所,上高地とは思えない。
とても得した気分。
山荘で朝食を済ませたら,いざ出発!
まずは,ぶらりと昨日行った河童橋まで散歩。
水たまりがすっかりひいてとても歩きやすく,近くに感じる。
朝の散歩から2時間ほどだけれど,景色はどんどん変わる。
陽が差して雲が消え,朝の空気に山が近く見える。
川の色もどんどん澄んでいく。昨日見えなかった川底の石が見える。
橋のすぐちかくにあるテーブルを陣取って,そんな景色を眺める。
そして,夫ご自慢の湯沸かしセットを使って,食後の珈琲を外でいただく。
ただのドリップ珈琲が美味しい。
朝の珈琲を満喫したら,今日の計画を立てる。
本当は徒歩1時間半くらいかかる明神池ほとりにある嘉門次小屋に行きたかったけど,
チビちゃんを連れて往復3時間のコースは,ちょっと無理と判断した。
反対側の大正池の方へタクシーで下り,そこを散策して,お昼を食べる計画。
大正池なら道路があるので,疲れて歩けなくなったら,タクシーを呼ぶこともできる。
タクシーの運転手さんに,「昨日はすごい雨でしたねぇ」と話しかけると,
「ここしばらくずーっとあんな天気でね,山が見えるのは久しぶりなんですよ」と言われる。
上高地全体が歓声に包まれているような雰囲気がわかったような気がした。
そして,大正池から焼岳を望む。
空の青さと緑,絵はがきを見るような景色。これぞ,上高地。
あまりに気持ちいいので,歩きたくなる。
木陰の林道はきれいに整備されている。
田代湿原を越え,田代橋を渡ったところで,ちょうどいいテーブルがあったので,
ここでお昼の準備にかかる。
旅の前日に焼いた白パンとカマンベールチーズと
フォアグラのパテ缶とソーセージとコーンスープ。
周囲にもお弁当を広げているひとが大勢。
昨日みたいな雨だったら,絶対無理だった企画。
白パンは,無造作に荷物に押されてペタンコだったけど,香り良く柔らかく,自画自賛。
こんな景色のしたでは,どんなランチだって美味しい。
ベンチに座っていると,赤トンボが留まっていた。
秋の空気を感じつつ,結局,2時間ほどかけて,河童橋まで歩いてしまった。
バス亭に着くと,人でいっぱい。
広場の真ん中に水飲み場があり,テーブルがたくさんあり休憩できるようになっている。
上高地の水は,丸くて後味があまい印象。
生水を持って帰るのは難しいので,たらふく飲んで味わって,記憶に留める。
名残惜しかったけど,素晴らしい山の空気を愉しむことができてよかった。
午後3時,新平湯温泉へ移動した。